音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編⑰

201508/04

音楽歴史・偉人

第十七回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命

もうひとつ、アメリカの民衆のうたを考える時に重要なのが、西アフリカから黒人たちが持ち込んだ音楽です。
バンジョーという楽器はアフリカが起源です。19世紀半ば、ミンストレル・ショーの流行とともに、白人社会にも広まっていきました。
過去のアメリカの田舎や山中では、ホットな音楽に合わせて、村人が足を踏み鳴らして踊りました。その様子を、また劇映画になるけど、見てください。
「ソングキャッチャー　歌追い人」(2001)の、DVDでいうとチャプター10。映画開始後58分の表示のところで始まる器楽曲です。(このチャプターは、続けて3曲かかりますが、その真ん中の曲)。
このメロディは、南部一帯でずいぶん昔から奏でられていたもののようです。2
0世紀になると歌詞がついて歌われるようになりました。どれもジョー・クラーク爺さんのことを謳っています。酒と女とギャンブルと、喧嘩も達者なケンタッキーの伝説の爺さんです。
映画のバージョンはインストゥルメンタル。フィドルが、「ツーツク・ツーツク」調子のいいテンポで主旋律を弾いています。
バンジョーは「タカトコ・タカトコ」。もうひとつ、マウンテン・ダルシマーというのですが、細長いひょうたん型をした弦楽器が鳴っています。ギ
ターは低いGの音をずっと鳴らしっぱなし。
2つの旋律が交互に出てきます。

高い方の旋律を鍵盤でとってみましょう。最初はDの音です。飾りの音を取り去ると2拍子、8分音符で「DEFE/DCBC/DEFE/D」と進みます。「レミファミ/レドシド/レミファミ/レ」とも表記できます。でも主音は「ド」じゃない。ベースのように低く鳴り続けているのはギターのG音「ソ」です。旋律が変わりました。今度はそのG音から始まっています。「G　GG/DCBA/G　GE/D　D」ですね。「ドードド/ソファミレ/ドードラ/ソーソー」と表記して問題ありません。
主音がGだということを確認して、もう一度高い方の8小説を階名で採ってみましょう。

ソ　ラ　シ♭　ラ/ソ　ファ　ミ　ファ/ソ　ラ　シ♭　ラ/ソー　ソー

ソ　ラ　シ♭　ラ/ソ　ファ　ミ　レ　/ド　ド　レ　シ♭/ドー　ドー

1番高い「シ♭」の音が特徴的です。1番高くて強調される音が「シ♭」という、「ドレミファソラシド」から外れた音になっている。その点をおさえて、次にこの曲を聴いてください。

ビートルズ「ゲット・バック」(「レット・イット・ビー　ネイキッド」所収のバージョン)

2つの歌、あまり似て聞こえませんか？楽器が違います。こちらはドラムスとエレキベースが大音量のリズムセクションを作っているし、エレキギターとキーボードが絡みます。キーも違う。ベースの音を確かめてみると、キーはA。これを「ド」とすると、さびのボーカルの最初の高い音(G)は「シ♭」になります。

Get　back,　get　back,　get　back　to　where　you　once　belonged
シ♭　シ♭　シ♭　シ♭　シ♭　シ♭　ラ　ラ　　ラ　ソ　　　ミド

「シ♭」の音が一番高く強調されるところ、さっきの古い歌と一緒ですね。

両者が似ている、という私の印象は、歌詞に負うところも大きいのです。「Get Back」には、アメリカ西部のさえない男が2人出てきます。
ジョージョーは砂漠の一匹狼を気取っているけど、日和って緑のカリフォルニアに行ってします。ロレッタ・マーティンは女のつもりでいるけど実は男。
こういう実在または伝説の人物のことを歌ううたが昔はたくさんあったのですね。さっきの「Old Joe Clark」もその典型ですね。「Get　Black」といううたはアメリカの古謡のパロディみたいなものです。歌詞もリズムも旋律も、昔のうたにGet backってことではないかと。

今回はここまでにしたいと思います！次回は今回の続きからまとめていきたいと思います。
今更ながらリフレクトスタジオでは、ビートルズをたまにロビーにて流しているので、好きな方は是非立ち寄ってみてくださいね！