音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編㉔

201508/17

音楽歴史・偉人

第二十四回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命

さて今回も前回の続きからまとめていきたいと思います！

しかしそのとき、ビートルズたちはもう次の段階を進んでいたのです。
同じ6月、ポールは一人でこの曲を書き、アコースティック・ギターを独奏して吹き込みました。
「Yesterday」何千もカバー・ヴァージョンが出ているという、20世紀後半を代表するスタンダード曲です。

「ザ・ビートルズ・アンソロジー」
「イエスタデー」

2番が始まると、すぐにストリングスが入ります。弦楽四重奏。発売当時はクラシックな伴奏が話題になりました。
「タイタニック」の映画でいうと、階下からギターをもって平民が現れ、ディナーの席でＢＧＭを提供していた正装の楽士たちをしたがえて歌い始めたという感じでしょうか。
1912年の貴族気分でこの歌を聞いてみるとしましょう。
まず、いきなり粗野な金属音が鳴りだします。ギターという楽器はあなたも知っています。スペインやポルトガルでジプシー連中が弾く楽器。おや、弦が金属ですよ。それを一小節に8回、爪のようなもので叩いています。

ボーカルはちゃんとした「声楽」になっていません。発声が違います。民謡を歌う田舎の歌唱法とも違っています。シャウトはしていないけれど、アタックは強い、ざらざらして、でも真実味のある声で歌っています。これに、優しく膨らみをもたせて波のように開いていくストリングスがかぶります。その全体が、この粗野でありながら情感ゆたかな、不思議な音楽を作り上げている。
メロディーも不思議です。最初の「Yesterday」の入り。ここは「レドド」と歌っているようにも聞こえるし、「ドドド」と歌っているようにも聞こえる。音程が決まらない。「そんなのが音楽か」と貴族のあなたは思うかもしれません。それに「レ」ではじまるとしたら、変ですよね。長調なら「ド・ミ・ソ」のどれかで始まるべきです。でもそんなことにかまってはいられない。その次、なんでしょう、いきなり「ミ・ファ♯・ソ♯・ラ・シ・ド」って上がっていきますよ。どういう音階なのか。下りてくるときには「ラ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ」です。まるで、

「ミファ♯ソ♯ラシドレミ」「ミレドシラソラミ」

という音階のように聞こえます。なんか、ルネッサンス以前の雅やかな音楽のような感じもします。

とはいえ、コードは「ドミソ」で始まり「ドミソ」で終わっている。まるで普通の長調のように。もっとも、最後の音は「ド」じゃなくて、「ミ」ですけど。やっぱりこの音階、「ミ」で始まるのでしょうか。
こだわるのが間違っています。地球全体に聞き耳を立ててみれば、長調とか短調とか、調性付きの音楽なんて多くありません。ヨーロッパだって、数百年さかのぼってみれば、楽音の上がり下がりのパターンは種々様々でした。それをコントロールし始めた集団がいたのです。「高尚な」音楽文化を所有した貴族と、その高尚さにありつこうとしたブルジョワたち。その体制は、1960年代、豊かな国の若者たちの「対抗文化」によって崩されようとしていました。
その核に居座ったのが、いまや押しも押されもしない前衛アーティスト、ザ・ビートルズだったのです。
ポールが「Yesterday」を吹き込んだ数か月後、今度はジョンがこんな歌を作りました。インドの楽器シタールと、12弦ギターを2本使っています。
本当は「ノルウェー材(の部屋)」と訳すべき「Norwegian wood」を次回、参考にしながらまとめていきたいと思います！

リフレクトスタジオでは、ギターのレンタルもしています(さすがにシタール、12弦はないですが)。
気軽にふらっと立ち寄り作曲をしてみたり、練習ができるので、皆さんいかがでしょうか！
すごいアイデアが飛び出すかもしれないですね！