音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編㉖

201508/19

音楽歴史・偉人

第二十六回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命

今回も前回の続きからまとめていきたいと思います！

そして産業革命が起こります。飢餓もありました。圧迫された人々は、新天地を求めて大西洋を渡りました。新大陸でも彼らはホットなフィドルの音楽を奏でました。
アフリカから連行されてきた黒人とその子孫は、ドラムを叩くことは禁止されましたが、白人民衆と混じりながら独自の音楽性を表現しました。
「自由の国」アメリカでは、奴隷解放後も人種差別は続いたものの、自由競争の原理のもとで、多くの市民が富を得て、それとともにヨーロッパの「高級」な音楽を楽しむようになりました。
20世紀、音楽自体がビジネスになります。ポピュラー音楽の大躍進。業界は3つに分かれます。エリート市民の音楽と、農民/労働者階級の音楽と、黒人音楽。
1950年代から、次世代の産業革命が社会を動かすようになります。
交通網による物資の運搬よりも、メディア網を通して伝わる情報やイメージが大きな富をもたらすような新しい世界が徐々に浮上してきます。

そのとき、若い世代の間で、それまで上流と下流社会の間に、また白人と黒人社会の間にあった音楽の壁が一挙に、大幅にくずれました。
南部の貧民階級からプレスリーが登場して富を築き、黒人のゲイ少年だったリトル・リチャードも名声をとどろかせる。彼らの音楽はメディア網にのって「自由世界」全体に広がっていきました。
「物資運搬の時代」には輝かしい最高の繁栄を築いた大英帝国の港町に、アメリカ南部から、綿花ではなく音楽が届きました。労働者階級の子供がギターをもって真似をはじめました。彼らは若いファンの受けを狙って新しい試みをどんどん取り入れました。気が付いたら世界中の注目が自分たちに注がれていました。世界の頂点に立ったのです。
彼らが始めた音楽は「ブラック」な音楽でした。それを「エリート」の音楽と混ぜてやっているうちに、「ケルト」な感じになって行きました。
彼らはほんの2、3年のうちに、階級と人種によって歌が分化していった、その歴史の過程を逆に進んでいたのです。

最後にふたたび「Get Back」を皆さん聞いてみて下さい。

映像資料「ザ・ビートルズ・アンソロジー」第8話、第8話後半

ロンドンのビルの屋上で始めました。1969年1月。4人でやった本当に久しぶりの、そしえ最後のライブ演奏会。(この時5人います、キーボード担当の黒人のミュージシャンは、ビリー・プレストンという方です。)
寒いのに、おじさんたちとか、ビルに登って見ています。
ＳＭＡＰも、もっとこういう人騒がせなことをすると良いですよね。
今回のまとめのはじめのところでは古いアイルランドのダンス曲との類似を強調しましたが、違うのはボーカルの乗せ方です。

Jojo was a man who thought he was a loner but he knew it couldn’t last.

下線部のところに「ウラ拍」がきます。「拍を食って」いる。ジョンとジョージのギターにも注目です。規則的に弦を下から上に強く弾いています。同じことです。
このノリ(音楽の身体性)は、もともとアメリカの黒人たちが育んだものです。
音楽というのは、作るものじゃなくて、生きるものなのです。あまりに当たり前すぎるので、普段気付かないのですが、音楽の根本にあるのは、アティテュード、態度の表現です。
ドラムを打ち鳴らし、ジプシーの楽器を電気増幅し、キックの強い音楽をやるというのは、近代の学校では許されない、バッドな態度でした。
そのバッドな態度を、いいもの・美しいものとしてブラスバンドやピアノの音楽に様式化したのが、1890年代にニューオリンズやセントルイスの街にいた黒人のミュージシャンでした。

今回はここまでにしたいと思います！
次回もこの続きについてまとめていきたいと思います！
リフレクトスタジオでは、黒人音楽好きなスタッフがいますので、是非ともお声かけ下さい！
稀に、店内のＢＧＭでかかっていますので、皆さん要チェックです！