音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編⑪

201507/20

音楽歴史・偉人

第十一回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

世界史で見るビートルズとは

‐革命のヒーロー‐

「ザ・ビートルズ・アンソロジー」第三話、第十一章

ホテルのバルコニーに4人が立っています。下の道路を何万という群衆が埋め尽くしています。みんな笑顔で手を振っています。
同行が開いている感じのファンもいたりします。
ここはオーストラリアです。
1964年、最初のワールド・ツアーの時の映像があります。
「すごいなあ。女王陛下が来ても、これほどの騒ぎにはならなかっただろうね」と誰かが言いました。
「そりゃそうさ。陛下はぼくらほど、ヒットを出していないもの」とジョージが応えたそうです。
この言葉のやりとり、すごく大きな意味を包み込んでいるように、私には思えるのです。
女王陛下、つまり「王」ですが、これは身分社会の頂点に立つ存在です。
下々の民衆がいて、欧に取り入る貴族がいて、富豪の承認も加わり、そうやってできた中心のグループが、王の権力を振りかざしてすべてを牛耳っているという世界。
大英帝国も、例外ではありませんでした。

産業革命については勉強しましたね。繊維の改良と蒸気機関の利用によって、織物の生産力が飛躍的に伸びた。
できた織物は、リヴァプールの港からアフリカの西海岸に運ばれ、そこで族長やアラブ商人の手に渡る。
代わりに受け取るのが「捕獲」された現地の人々です。
彼らは船底にぎゅうぎゅう詰めにされて、西インド諸島やアメリカ合衆国の南部に運ばれました。
大きなプランテーションで家畜労働をさせるためです。
そうやって採れた不当に安い綿花が、またリヴァプール港に入ってきて、今度はイギリスの下層民やアイルランドから流れてきた人々が工場に集められ、女も子供も安い賃金で働けるだけ働かされる。
1800年ころのリヴァプールには、お金がボロボロ流れ込んできました。
大英帝国でもっともリッチな街だったそうです。
国を富ませる1つのビッグ・プロジェクトがあって、そのプロジェクトのために、国内ばかりか世界中の民衆が巻き込まれ、エネルギーを、時には命を吸い取られる。
いくつもの大国が、みんな同じプロジェクトを掲げて、お互い武力でぶつかりながら、永遠に国益を争い続ける。
イギリスインドにアメリカ、ドイツにイタリア、そして後に日本まで加わって南方を争奪して植民地化し、資源と人々を搾取して自国の支配階級の権力をかためる。
そのあげくに、2つの世界大戦が起こりました。
戦闘機、毒ガス、焼夷弾、ロケット、あらゆる殺戮テクノロジーが繰り出されて、何千万もの人命が吹き飛びました。最後に原子爆弾が2つ爆発し、植民地争奪戦に遅れてやってきた東洋の島国がギブアップ。世界大戦は終わりました。
ビートルズの4人は、みな戦争のさなかに生まれています。
イギリスにはロケット弾が降り注いでいました。

‐新しい世界システム‐

戦後、植民地主義の体制は一気に崩れ、それにともなって、いろんな出来事が進行します。これらは別々の出来事ではありません。
みんな同じ方向性を持ち、互いに絡みながら。
1つの時代から別の時代へ歴史を進めていったのです。

① アジア・アフリカ諸国の独立　
宗主国が植民地の「上」に立って支配するという方式では、もうやっていけなくなりました。
② 人種差別の非合法化
肌の色で市民を分け隔てる一部地域の慣行が許されないものになっていきました。アメリカ南部に残存していた差別法の撤廃をめざす「公民権運動」が盛り上がります。
③ エリート文化から大衆文化へ
大量生産・大量消費。エリートの高尚な趣向ではなく、「大衆の好み」こそが、経済と文化を引っ張るようになります。また10代の青少年が快感志向のマーケットを作り、「クール」とかいう気分的なものが、市場を活性化させるようになります。
➃通信テクノロジーとメディア社会の成立
分かは電波に乗って、世界を駆け巡ります。

今回はここまでにしたいと思います！次回は1955年という年はどんな1年だったか？についてまとめていきたいと思います！
リフレクトスタジオの雑誌コーナーにギターマガジンやベースマガジンが置いてあります！たまにビートルズが載ったギタマガが置かれるかもしれませんね！皆さん要チェックです！