音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編㉚

201508/31

音楽歴史・偉人

第三十回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

「オール・トゥゲザー・ナウ！」

さて、今回も前回の続きからまとめていきたいと思います！

日本の家庭のテレビ保有台数も、ケネディが大統領だった3年間に急増しました。史上初のヴィジュアルな大統領、これがケネディだといっていいでしょう。彼の表情と口調は、世界市民の共有するところとなりました。その前のアイゼンハワー大統領のことをわたしは、名前だけ、ラジオのニュースでよく聞いたのを覚えています。さもなければ、新聞の風刺漫画か。さっそうと歩くアイゼンハワーのイメージを、わたしは記憶をとして持っていません。
さて、ケネディ政権は、ずいぶん大きなリスクを冒して、南部の人種問題に取り組みました。南部党員の支持を失うことを恐れず、毅然とした態度を貫いたのも、やはりテレビ社会と無関係ではなかったはずです。

公民権運動の時代に、新聞しかなかったらどうだったか。記者が現地に赴いてレポートを書く。読者に伝わるのは彼が整理した「事の次第」と「意見」です。意見は、賛成と反論を生み、二手に分かれた論争が鳴りやまないでしょう。そこにTVカメラが入るとどうなるか。
撮影クルーがアラバマ州の差別撤廃でもの様子を撮りに行く。警官隊がやってきて、デモ隊に向けて猛犬を放つ。あるいは消防車のホースでものすごい水圧の水を浴びせる。絵になりますね。カメラはそういう所を選んで撮影します。ドラマが生まれ、それが全米の家庭に伝わって、世論が動く。「意見」というよりもっと心の深いところから、抑えられない感情が湧いてきて、視聴者の心をとらえるわけです。「煽られる」といってもいいかもしれません。何とかしよう、自分たちにもできることがあるぞ、と運動に走る人たちも増えるでしょう。そうした視聴者の動きに、ワシントンの連邦政府も、対応しなくてはならないでしょう。対策自体がテレビに映るものですから、「断固たる態度」みたいなものを見せないとうまくない。映像は海外にも出ていくのだから、国際世論だって気にしなくてはなりません。
「テレビ」って何の略でしたか？テレ＝ヴィジョン。Telはさっき「電信電話のTel」といいましたが、もとはといえば、telephoneは「遠隔音声」の意味。したがって、tele-visionとは「遠隔画像」のことです。世界がテレビのネットワークで結ばれたという事は、次のことを意味するでしょう。

① 電波で結ばれた世界が、1つのヴィジュアル・カルチャーを持つようになった。
② 世界のどこでも瞬時に見ることができるという感覚を人々が持つようになった。
③ 映像として入ってくる情報に対して、簡単に心を動かす人たちが増えた。

このことは世の中のしくみに大きな影響を与えたに違いありません。そのことを、今日はぜひみなさんに感じ取ってもらいたいです。ビートルズと関係があるのでしょうか？それをこれからまとめていきたいと思います。

1963年8月、ビートルズはイギリスで快進撃を続けていました。この月、4枚目のシングル「She Loves You」が発売されます。そのころ、アメリカのメディアに大きく登場したのが、マーティン・ルーサー・キング牧師です。平等を勝ち取る運動をアラバマ州で展開していた彼は、首都ワシントンへの大行進を組織し、自ら先頭に立ちました。白人の賛同者も含む人の波が20万、ないしは２５万、歌を歌いながら行進し、その様子はテレビを通して世界に流れました。
ワシントンのモニュメント広場でキング牧師は現代史上たぶんもっとも有名な演説を行います。

今回はここまでにしたいと思います。
次回は今回の続きをまとめていきたいと思います！
リフレクトスタジオでは新しく雑誌コーナーが出来ました。ビートルズのメンバーである、ポールのことを書いている雑誌もありますので、是非読んでみて下さい！