音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編㉗

201508/22

音楽歴史・偉人

第二十七回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命

さて、今回も前回の続きからまとめていきたいと思います！

暴力を伴う差別に満ちた時代に生きた彼らが始めた、ジャズ、ブルース、ラグダイムといった様式には、白人支配階級の、お堅くお上品な様式を裏返しにしたような意匠が満ちていました。強迫の移動(ウラ拍の強調)、意図的な音程の揺らし。それらの「ブラック」で「ブルー」な音楽性を吸収し、独創的に変奏しながら、メディアの時代に伝えたのが、ビートルズをはじめとするロック・ミュージシャンだったということです。
かつてのエリートの支配のもとで、ある種のノリしか植えつけられていなかった何億という世界の若者たちに、彼らは対抗的な身体の揺すり方、心の弾ませ方を伝播した。
もちろんこれは、歴史の波の中で起こった出来事です。イギリスの庶民と、アメリカの黒人層と、アメリカの反抗的な若者たちが、一つの輪になって、ものすごい力で押し上げられた浮上でした。それにつられて中流の人たちもどんどん違った動きをするようになった。

ファッションの世界、おしゃれの世界も、それまでのように、上流から庶民へという方向ではなく、たとえばジーンズのようなものの魅力が切り出されていきます。農民の普段着だったデニムのオーバーオールが、ナチュラルでシンプルなおしゃれ着として売り出しをされていたり。つまり、ビートルズを呼び水としてロック音楽のうねりが自由世界を満たすようになります。と同時に、日々欲望し、心を弾ませる生き方が、文化の標準として、地球に広まっていきました。
どうでしょうか、この20世紀後半の地球のざわめきみたいなものを、皆さんは幻視できましたでしょうか。

「オール・トゥゲザー・ナウ！」

‐ビートルズと国際情勢‐

ここまでのまとめでは、世界史と音楽の話をしてきました。でも世界史と音楽とで別々の話をしたわけではありません。歴史は歴史、音楽は音楽、と別々に考えてもあまり面白くないですね。面白い人もいるだろうけれど、知性にとってももっとも刺激的な思考というのがあって、それは、音楽もまた歴史の動きのなかに存在していると感じ取ることです。わかりにくいでしょうか。言い換えましょう。それぞれの時代にはそれぞれの音楽があって、その音楽からそれぞれの時代のしくみや人々の心のありようを聴き取ることができる。これが「歴史は音楽である」という意味です。その意味を、みなさんに伝えられたらいいと思って、今日も頑張ります。

今日は英語の教師になって、ビートルズの歌詞を扱います。もちろん歌詞にはリズムがあり、リズムのあるものは音楽です。また歌詞にはメッセージがあり、そのメッセージには「時代」がこもっています。歌詞だけじゃないです。ビートルズは存在そのものがメッセージでした。そのメッセージに世界が、中高生だけでなく、業界も、社交界も、芸術家志望の貧乏青年も踊りました。ということは、今日の話もまた世界史と絡めないわけにはいきません。

ということで、年表をチェックしましょう。ビートルズが歴史的な大ブレイクを遂げた時、世界では他にどんなことが起こっていたのでしょう。
ビートルズ最初のシングル・レコード「Love Me Do」が発表されたのは1962年10月でした。この月、世界がかたずを飲んで見守った事件が起こっています。
ソ連のフルシチョフ首相がキューバにミサイル基地を建設することを発表。カリブ海に向けて機材を積んだ船を進めたのです。
キューバは、いわばアメリカの喉元に位置しています。以前はアメリカにとって「歓楽の南の島」だったのに、革命によって敵「共産主義」の手に落ちてしまいました。そんな近くからミサイルで脅迫されるのではたまりません。ケネディ大統領は沿岸の海上封鎖を指示しました。ソ連船を、武力を使ってでも撃退するという強硬姿勢に出たのです。

今回はここまでにしたいと思います！次回はこの続きからまとめていきたいと思います！
最近暑いですね。皆さんは熱中症対策をしていますでしょうか。
リフレクトスタジオはクーラーをかけていますので、ロビーで快適に過ごしていただけますよ！
是非涼んでいってくださいね！