201506/22

ドラム

ドラムセットの機材紹介 スネア編①

~スネア編 前編~



主にドラムセットと呼ばれる楽器は、タイコ、シンバル、各ハードウェアで成り立ちます。

その中で今回は太鼓に注目して、基本的な知識、成り立ちを紹介します。

スネアドラム



ドラムセットの中心的役割を担うのが「スネアドラム」です。
上下に張られた革を「ヘッド」と呼びます。

このヘッドをボディーに取り付ける金属の枠を「フープ」(またはリム)と呼び、
フープに通した「チューニングボルト」を回してヘッドを締めていきます。
チューニングボルトをボディー側で受け止めているのを「ラグ」と呼び、これを取り付けている胴体部分を「シェル」と呼びます。
スネアのシェルにはラグの他に、「スナッピー(響き線)」を両面から引っ張って裏ヘッドに圧着させる「ストレイナー」が取り付けられています。

スネアドラムはドラマーの好みが分かれるところで、どのメーカーも多くな要望に応えるため、材質、口径、シェルの深さ、エッジの形状、スナッピーの種類等、様々なバリエーションを用意しています。

口径について


スネアドラムの口径は14インチが標準サイズです。
次に多いのがピッコロサイズと呼ばれる13インチで、高音域の音を特徴とします。
メインスネアとして使う事もありますが、どちらかといえば補助的な役割を担う場合が多いです。
胴の深さは5インチと、5.5インチを中心に、3.5インチ(ピッコロ)や6.5インチ(深胴)などのバリエーションがあります。
胴は浅いほどアタックが利いた鋭角的な音になり、深くなるほど低く深みがある音になります。

材質について


スネアは大きく「木胴」と「金属胴」に分かれます。
木胴の素材にはメイプル(カエデ)、バーチ(カバ)、ビーチ(ブナ)、ポプラ、ブビンガ、ローズウッド等があり、いずれも木ならではの深く軟らかい音を特徴とします。
金属胴の素材にはブラス(真鍮)、コバー(胴)、スチール(鉄)、アルミ、ブロンズ(青銅)などがあり、こちらは木と比べると、硬く直接的な響きを特徴します。

同じ材質なら同じ音で鳴るのかというと、そういうわけにはいかないのが、ドラムの魅力の一つです。

同じメイプル材で作られたスネアでも、ラディック社のものは明るく、軽やかな音が出るに対して、グレッチ社のものは太く深みがある音が出ます。
これは、シェルの厚さや成形方法、エッジ(ヘッドと接触する部分)の形状、ボディーに取り付けられたパーツ(リムやスイッチやラグ)の違いその他、諸々の要因が音色に影響を及ぼしているからです。

名古屋音楽スタジオ リフレクトスタジオの常設機材は部屋事に各メーカー、材質等色々なバリエーションのスネアドラムをご用意しています。

メイプルからブビンガまで音の違いを試すにも、色んな部屋でドラムを叩いてみてくださいね。

一般的に同じ材質のスネアならシェルの厚みが増すほどピッチの高い硬質な音になり、薄くなるほどピッチが低く軟らかい音になりやすいです。

さらに同じメーカーの同じシリーズのスネア、つまり同一の製品であっても、響きに微妙な差が出る場合があります。
ギターや、バイオリンもそうですが、木は生き物なので、同じ工程で成形されても木質の違いが音の違いになって表れてしまいます。
これは同じ製品を二台並べて叩き比べてみるとよくわかります。
高音域で鳴るスネア、低音域で鳴るスネア、どの音域もバランスよく鳴るスネアなど、響き方に差があります。

現在では大半のヘッドはプラスチック製ですが、昔はカウ・スキン(牛革)で作られていました。
しかし、革ヘッドは天候、とくに湿度の影響を受けやすく、また耐久性も低いため、1950年代後半にプラスチック製のヘッドが開発されると瞬く間に姿を消しました。
スネアも例外なく、プラ・ヘッドを使っているが、裏ヘッドには表ヘッドよりもずっと薄いフィルムを用いています。
それは裏ヘッドに密着させるスナッピーの反応を良くし、歯切れのいい音質を得るためです。
試しに裏ヘッドに表と同じ厚さのヘッドを張ってみると、スナッピーの歯切れの反応も悪く、使い物になりません。
スナッピーを上手に振動させ、キレが良い音を作るためには、裏ヘッドが厚すぎても薄すぎてもうまくいかないのです。


スネアドラムがほかの太鼓と決定的に異なるのは、裏ヘッドにスナッピーを取り付けていることで、スネア特有のザラザラした音はここから生まれるます。
スナッピーはシェルに取り付けられているスイッチで密着と切り離しを操作し、スイッチを音にすれば通常のスネア音に加え、オフにすればタムタムのような音になります。
この切り替えは曲の雰囲気に応じて使い分けることがあります。
また、スイッチに付いているテンション調節ボルトによって、スナッピーをヘッドに圧着させる度合いを調整できます。
一般的にテンポが早く引き締まった曲を演奏するときはテンションを強めに調整つし、テンポが遅い緩やかな曲を演奏するときは緩めにすることが多いです。これらはドラマーの感性次第でさまざまな使い分けがされます。


名古屋音楽スタジオ リフレクトスタジオは、
お客様のなかにもご利用後のドラムの仕様をチラっと見てみると、人それぞれ、様々なチューニング仕様、テンション具合になっています。


次回はスネア編後半へ

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