ドラムペダルの基本的な奏法

201507/30

ドラム

ペダルの基本奏法

前回はスティックの握り方、グリップについて書きましたが、今回はペダルの基本的な奏法について書いていきたいと思います。

まず、もっとも伝統的な奏法として知られるヒールダウン奏法は、その名の通りかかとをペダルにくっつけたまま踏みます。
脛の筋肉を使うので、慣れないうちは結構疲れてしまうかもしれません！

ヒールアップ奏法は足全体を持ち上げて踏み込むので、体重が乗った大きな音が出ます。
ロックドラマーに多く使われています。

この二つの奏法を取り入れたのがアップダウン奏法で、一打目でかかとをつけて踏んだらそのままかかとを持ち上げ、そこから二打目を足全体で踏み下ろします。
簡単にいえば、一打目はつま先、二打目は足全体でキックするということになります。
これはバスドラムを連打するときに便利な奏法です。

どちらの奏法を使っても、動作の根底には「足首のしなやかな動き」があります。
これなしでは、どの奏法を使ってもいい結果は得られません。

足首を鍛えるには、かかとを床につけたまま足首をパタパタと動かし床を叩き続ける練習が効果的です。先程も書きましたが、これはとにかく疲れます！脛が痛くてどうにもならないという方も多いでしょう。はじめは無理することなく、少しずつ馴染ませていくことをおすすめします。

ところで、ペダルワークというと足を速く動かすばかり話題になりますが、これはドラマーのレベルの高さを表す尺度にはなりません。
リズムを担当するドラマーにとって大切なのは、ノリの良さや音の良さなのであって、手足をいかに早く動かすかといったことは音楽の本質から離れた些細な問題でしかありません。

では、ノリがいいビートを叩けるようになるには、どんな練習が必要なのでしょうか。
奏法解説に詳しい教本にも、ほとんど触れていないので少し詳しく書いていきます！
ポイントはペダルをどのように踏めばビートが出るか、といったところにあります。
結論から言えば、ビートは腰から生まれるので、腰を入れてキックしてみましょう。
足の力を抜いてストンと落としただけでは、音は出てもビートは出ません。
腰のひねりを利用してキックした音と比べてみると、プッシュ感がある太い音が飛び出してくるのが分かります。
足を落としただけの音とは比較にならないほど、躍動感が溢れているはずです。
慣れれば、大げさなモーションなど使わなくても、ちょっと腰を意識すればビートが出せるようになります。

腰のひねりを体得するための手軽な練習として、まず腰を右側に少しひねりながら右足を持ち上げます。この時右腕を後ろに引くと腰をひねりやすいですよ！
次に、ひねった腰を素早く元の位置に戻し、その勢いを利用して足を踏み込んでいきます。
後ろに引いた腕を腰の動きに合わせて勢いよく突き出すと、足の動きが一層加速されて強烈な推進力が生まれます。

ちなみに、ショットにも腰の動きは不可欠です。
試しにスティックを持った腕を大きく振りかぶり、手首のスナップをつけて空中で振ってみて下さい。
ショットにスピードがある場合は、スティックの宙を切る音が出ます。遅いと音は出ません。
出てもブンと小さく低く鳴るだけです。
腰のひねりを入れて、体全体をしなやかに使ってスティックを振ると、ビュンと鳴ります。
このスピードに乗ったショットがビートを生むのです！
小手先のショットから出る音は、聴く人の体をビートに合わせて動かすエネルギーを持ちません。
ショットもキックも、それが腰から生み出されているかどうかが重要なのです！

是非そんなビートの練習をしにリフレクトスタジオへいらしてください。
録音もできますので、自分の音の確認にも使ってみてください！
きっといい練習になるはずですよ！

今回はここまでにしたいと思います！
最後までお読みいただきありがとうございました。