音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編⑭

201507/26

音楽歴史・偉人

第十四回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

世界史で見るビートルズとは

‐60年代を生きる感覚₋

最後にもう一度、SMAPとの比較を考えてみましょう。前回のSMAPとの比較についてまとめた表を思い出してみて下さい。
ビートルズの特徴として、グローバル・世代限定・自然発生・変幻自在という言葉を使いました。言い換えると、新しい時代に生きる新しい人間たちの、心の需要が押し上げたアイドルでした。彼らは「いまだかつて存在したことのない」ことが最大の売りであって、自分たちの好きなようにやることが、ファンの為にも必要でした。こうして彼らは、若者だけを対象に世界中にファンを広げていったわけです。時代の切れ目を生き、次の時代へと人類が飛び移る際の、ノリのいい乗り物のような役割を彼らは果たしました。
ビートルズの時代には「近代」の心をもった大人たちと、「現代」の仕組みに適応した若者たちが、ぶつかりながら暮らしていました。
SMAPが活躍するのは、それとは違う時代です。
世代間のギャップが閉じ、ポップ音楽の進んだ国と遅れた国のギャップも閉じたあとの、均質な大衆を相手に、人々を楽しませ、励ますこと。そういう仕事には、幻覚剤の冒険も、サウンドの実験も必要ありません。
善良で楽しくて年寄りにも子供にも好かれる存在でいるのが一番です。

1960年代という時代において、ビートルズが「いまだかつて存在しないもの」だったということ。
どうかそのことを感じ取ってみて下さい。存在自体が新しいってどんな感じか。1960年代は歴史が大きく動いた時代です。世代の間に、大きなギャップができた。
そして、それまでの基準で生きていた人と、その基準を無視して、あるいは意欲的にそれを超えることを目指して、生きる人とが、家庭でも路上でも、ぶつかりあい、怒鳴り合いました。
そういう激しい時代には、「新しさ」を、身をもって伝えるシンボルが登場するものです。ビートルズは、その知名度からして、おそらく60年Ⅾない最大のシンボルになったと言えるでしょう。
ビートルズの新しさは「革命的」な新しさでした。成功するためのコースから、まったく外れたところから出てきて、世界を制覇してしまったのです。

①まず彼らは、エンタテインメントの中心がニューヨークやハリウッドだったころに、戦争でさびれた英国の、しかも「リヴァプール下り」から出てきました。
②そのリヴァプールの労働者階級のなまりをもっていましたが、成功してからも、なまりを直そうとはしませんでした。
③彼らの音楽は、アメリカの黒人たちが育んだ音楽を基本にしていました。
④大学にもタレント・スクールにも背を向け、アマチュア・バンドとして最低の客を相手に腕を磨き、レコード会社が歌わせようとした歌を拒否して自作の歌を吹き込み、しれがヒットしてスターになってからも、自分たちの好きなようにやるというスタンスを貫きました。

要するに、革命家です。
それだけではありません。英国では揺るがないものだとみんな思っていた階級制度にも、ビートルズは風穴を空けてしまいました。
英国は「世界の工場」といわれ、帝国主義の拠点としてずっとナンバー・ワンの地位にいましたから、近代のしるしである「階級差」が、ほんとに歴然としていました。というか、今も消えていません。まず住むところが違います。しゃべり方が違います。物腰も表情も違っているから、本当に人種(人の種類)が違うという感じなのですね。
ビートルズの時代にも、労働者階級出のスターはいましたが、社交界に出るときには、階級丸出しのしゃべり方は矯正するのが礼儀でした。
それをビートルズはしなかった。しかもその発言が、じつに冴えています。
今回はここまでにしたいと思います！次回はその発言が何だったのか、詳しくまとめていきたいと思います！
皆様も革命家だと、私は思います。バンド内で、個人の意見はとても大切で、4,5人でしたら1人の発言によってバンドの活動やスタンスが、がらりと、変わります。
まさに革命だと思いませんか？是非、リフレクトスタジオに来てミーティングをして、皆様もバンド内で革命を起こしてください！