201510/21

ギター

ストラトキャスターについて

前回ES-335についてお話しをしましたが、今回はストラトについて話そうと思います。
私は自身のライブでこのタイプのギターを弾く事はまず無いのですが、ことレコーディングとなると、一番使ったギターなのでは無いかと思われます。
その弾きやすさ、音色の素直さ、またそれに伴う音色の加工のしやすさ。プリプロで音色に困ったら、まず最初に、『ストラトならなんとかなるかも!』と思わせてくれます。
リフレクトスタジオにはIbanezeのストラトタイプのギターが置いてあるが、今回は本家本元であるフェンダーのストラトについて話していきましょう。



ストラトキャスター



基本構造
ストラトキャスターの基本構造は、同じフェンダー社のテレキャスを発展させたものといえます。
従来のギターはボディとネックをニカワなどで接着して製造されていたが、テレキャスターは両者を木ねじで結合するという大胆な設計になっており(ボルトオンネック)、大量生産を可能にした。ボディは無垢の厚い木材から削りだされたもので、内部に共鳴部(空洞部分)のない構造である(ソリッドボディ)。ボディに共鳴部がないため、大音量で演奏してもハウリングを起こしづらい。
ボディとネックは角度を持たずに接合されており、ヘッドとネックも角度をもたずに成形されています。

ストラトキャスターはそれらテレキャスターの構造をほぼそのまま受け継いだ上で、さらに簡略化が図られていた。
具体的には、ピックアップやボリュームやスイッチやジャックといった電装部品を樹脂製のピックガードにまとめて取り付け、これをボディ表面に木ねじで固定するという方式の採用である(テレキャスターは、フロント・ピックアップはボディに直接固定、リア・ピックアップはブリッジ・プレートに固定、ポットとセレクターはプレートに固定)。そのため、ジャックを除けば電装部品すべてがポン付けできるようになった。この簡略化のお陰でボディやネックの加工と電装部品の配線をそれぞれ別工程にすることが可能になり、後年のコンポーネント・ギター(ボディやネックや電装品などを、純正以外のものと交換して作られた改造ギター)登場への道を開くことにもなった。
ストラトキャスターはテレキャスターと同様、本来はカントリー・ミュージックなどで使用することを想定して設計された。シンクロナイズド・トレモロも、カントリーやハワイアンで多用されるスティール・ギターのスライド奏法に近いサウンドを出すのが、本来の目的であった。
しかし70年台後半からは、最早ロックギターの代名詞的に使われ、改造などが施される。ハウリングのしづらい構造からなのか、フィードバックを自在に操る奏法もこの頃からかもしれないです。


ボディ形状
ボディ形状もテレキャスターが母体になってはいるが、弾きやすさを重視し、より工夫が施されています。
高音部を弾きやすくするため、テレキャスターよりもカッタウェイが大きく削り込まれている。また、ストラップを使用した時のバランスを改善するため、低音弦側のボディを上部に伸ばしたダブルカッタウェイシェイプが採用されている(このシェイプは、1951年に発表された同社のプレシジョン・ベースのシェイプに大きく影響されています。
同製品は、ボディの大型化のバランスを取るため、テレキャスターの低音弦側のツノを伸ばしたデザインが取られた)。さらに、ギターを構えた際の身体とボディの当たり具合を改善するため、腰や肘の当たる部分が大きく曲線的に削り取られており(コンタード・ボディと呼ばれる)、ボディ全周の角もテレキャスターに比べ、丸く削られています。


ヘッド
ヘッドはネックに対して角度を持たず、平行に成型されています。
また糸巻き(ペグ)は、ギターを構えた際の上部側に一列に配置されている。そのため、1弦側と6弦側で弦の角度(弦がナットに圧着される度合い)が大きく異なってしまい、そのままでは演奏する際の弦のテンションが1弦側と6弦側で違和感が生じる。これを補う目的で1弦側(1弦と2弦、または1弦〜4弦など)にストリングガイド(弦の角度を大きくする)が取り付けられています。
ヘッド部の形状はテレキャスターに比べて大型化しており、大きく分けてスモールヘッド(PRE CBS)とラージヘッド(POST CBS)の2種類が存在する。
初期(60年代半ばまで)はスモールヘッド、その後はラージヘッドという流れだが、後にシグネチャーモデル(人気ギタリストの使用モデルの再現品など)が発売されたため、80年代以降にスモールヘッドのモデルが製造されたりもしています。



ペグ(糸巻、転手、チューナー)
装着されるペグ(糸巻き)は、Fキイと呼ばれるFの字がプレスされた物、クルーソン・タイプやロトマチック・タイプ、ロック式など、数種類が存在します。
ストリングスガイドを使わなくても良いように弦を巻く軸の長さが1弦側が短くなっているタイプもある。
アフターマーケットでは様々な物が手に入るので好みの物に交換できる。
ナット0フレットのない、一般的な物である。ジェフ・ベックモデルにはLSR製のローラー・ペグが装着されるがウィルキンソン製のローラー・ペグの物も製造されている。 アフターマーケットにはデルリン製など様々な材質やチューニングを正確にする工夫をされた変形品もある。また、ローラー・ペグもLSR製、ウィルキンソン・GOTOH製など数種類手に入ります。

電装部品



ピックアップは通常、シングルコイルを3つ(フロント=ネック側、ミドル=中央、リア=ブリッジ側)搭載していて、スイッチで切り替えることが出来る。工場出荷時の配線状態では、ツマミは3つ(ピックアップに近い方からマスター・ヴォリューム、フロント・トーン、ミドル・トーン)。
従来はリア・ピックアップにはトーン・コントロールがなかったが、近年のモデルではミドル・トーンが、リア・ピックアップのトーンコントロールを兼ねている製品(アメリカンシリーズ等)もあります。
ピックアップの切り替えスイッチは、初期にはフロント/ミドル/リアの3ポジションだったが、ハーフトーン(2つのピックアップを利用しミックスしたサウンド)を得るためサードパーティから5ポジションスイッチが発売された後、現在では製造時に5ポジション(フロント/フロント+ミドル/ミドル/ミドル+リア/リア)が採用されています。
アンプへのシールド・ケーブルを接続するジャックは、テレキャスターはボディ側面とプラグが垂直に接続される方式だったが、ストラトキャスターではボディ表面に対してプラグが斜めに接続されるよう工夫されています。


材料
ボディ材は、1954年の発売当初はアッシュを用いていたが、後にアルダーや少量だがアメリカン・バスウッドも用いられるようになった。アッシュは音の立ち上がりがよく存在感がある、アルダーは中域に特徴がある、アメリカン・バスウッドは音質にくせがないといったように、それぞれの木材には音質に特徴があり、用途や好みによってユーザーに選好されている。
ネックは、発売当初はメイプル1ピース(指板を持たない一体成形)が主でした。
しかし、指板面の塗装が剥がれると汚れが目立つというユーザーからの要望もあり、メイプルのネックにハカランダやローズウッドを指板として貼り付けたネックが採用されるようになりました。
それと並行して、メイプルのネックにメイプルの指板を貼り付けたタイプも一時的に生産された。この仕様は「貼りメイプル」と呼ばれ、ジミ・ヘンドリックスが使っていた影響から、現在では珍重されています。
現在ではメイプル1ピース(指板が白っぽい)と、ローズウッドなどの指板を張ったタイプ(指板が黒っぽい)と、両方が製造されています。


音色
同一の材で製作した場合、テレキャスターに比べるとやや柔らかい音という評価があります。
これは、ボディ表面側がピックアップや電装類を収納するために比較的大きく削られており、その上に樹脂製ピックガードが取り付けられ、さらにシンクロナイズド・トレモロの機構を収めるための空間(スプリング・キャビティ)も存在し、セミアコースティックギターに似た構造であるためと言われる。ボディ裏に張られたスプリング(シンクロナイズド・トレモロの機構の一部)が、弦の振動に共振する点も、ストラトキャスターの音質に影響を与えているという説もあります。
3つのピックアップは同じ部品だが、取り付け位置の違いにより取り出される音質は大きく異なります。
ブリッジ(リア)側は高域が強調され、ネック(フロント)側は逆に高域の成分が少ない「甘い音」になる。
ピックアップ・セレクター・スイッチをブリッジ・ミドルあるいはミドル・ネックの中間で止めて音をミックスさせる、いわゆるハーフトーン(ガラスの弾けるような繊細なトーン)も使用できるため、サウンドのバリエーションが広いです。
ギブソン・レスポールに搭載されているダブルコイルのハムバッキングピックアップと比べると、シングルコイルピックアップは出力が弱く、帯域の広いサウンドが特色だが、マーシャルに代表される大音量のアンプや、歪みエフェクターとの組み合わせにより、ディストーションサウンドを得ることもできる。ディストーションサウンドが不可欠なハードロックに用いるギタリストも数多く存在するストラトキャスターが、エレキギターのスタンダードとなる上で最も重大な役割を演じたのはジミ・ヘンドリックスです。



1950年代には、ハンク・マーヴィン(シャドウズ)やバディ・ホリーなどがストラトキャスターを使用していたが、1960年代半ばには人気が低下し使用するミュージシャンもほとんどおらず、製造中止も検討されていました。
しかし1966年にジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスがデビューして、この状況は大きく変化する。ヘンドリックスは、大音量のマーシャルのギターアンプにストラトキャスターを接続し、ギブソン社のレスポール・モデルにも劣らないディストーション・サウンドを引き出した。また、シンクロナイズド・トレモロを生かした変幻自在の演奏(アーミング)も相まって、ストラトキャスターが持つロック用エレキギターとしての潜在能力の高さを見せつけたのである。
ヘンドリックスの影響を受けてストラトキャスターを手にしたのが、エリック・クラプトンやジェフ・ベックです。



クラプトンによるストラトキャスターの演奏は、ヘンドリックスとはかなり対照的です。
ヘンドリックスほどは音を歪ませず、シングルコイル・ピックアップ本来の音色を生かした彼の演奏は、ストラトキャスターの新たな魅力を引き出した。ハーフトーン(センター・ピックアップとのミックスポジション)を一般化させたのも、彼の功績である(ハーフトーン自体は、ヘンドリックスなども使用していた)。なお、クラプトンはトレモロ・ユニットを使わず固定し、アームを外しています。

ロックギターのスタンダードへ
ヘンドリックスに多大な影響を受け、そのアクロバティックな側面を受け継いだギタリストの一人に、ディープ・パープルやレインボーで活躍したリッチー・ブラックモアがいます。
彼は、ストラトキャスターの唯一の弱点とも言える出力不足を、ピックアップを高出力のシェクター製クオーター・パウンドに交換することで補い、ストラトキャスターがハードロックにも十分通用することを証明して見せました。
また、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアもストラトキャスターを愛用しており、彼の場合は1970年代後半から1980年代においては、ピック・アップをディマジオ社の「スーパーディストーション」に交換して使用していた。
彼のように、ピック・アップをスーパーディストーションに交換するのは当時の流行であり、多くのミュージシャンが模倣している。
ちなみに、ペグをシャーラー社のものに交換するのも当時の流行であった。
フュージョン系やブルース系、ソウル系のギタリストの中にも、ストラトキャスターを愛用する者が増えました。
ブルース系ギタリストではバディ・ガイやロバート・クレイ、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどが、フュージョン系ではハイラム・ブロック、デビュー当時のマイク・スターンなどが、有名なストラト愛用者である。こうしてストラトキャスターは、ソリッド・ボディ・エレキギターの定番中の定番として、その地位を不動のものとする。
ストラトは非常に魅力的で、多くのミュージシャンから愛されている。
しかし私自身がこのギターを弾かない理由は、似合わない、そして下手だから。だから人に観られないレコーディングでは、ストラトは大活躍をする。
すごくストラトが似合って、すごく上手だったなら、私はライブでストラトを弾いていただろう。

皆さんもリフレクトスタジオで、でかい音を出しながらギターの練習をしよう!家で小さい音で練習してても上手くならないぞ!

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