リハーサルにおけるベースアンプの使い方

201509/21

リハーサル

今回は、ベーシストのための、リハーサルスタジオにおけるベースアンプとの付き合い方をご紹介します。

ベースアンプについて

リフレクトスタジオではベースアンプはハートキー、アンペグをお選びいただけるよう2台のヘッドアンプをご用意しておりますが、通常リハーサルスタジオではギターアンプのように複数の選択肢がなく、常設されたベースアンプで何とかしなければなりません。
気に入ったベースアンプのほうが自分好みの音色を作りやすいのは当然ですが、どちらかというと他の楽器やスタジオの環境に配慮した音作りを重視した方が、ベースという楽器の特性に合っているとも言え、そういった意味でもさまざまなアンプの特徴を理解して、どのような機種でも、ある程度音作りができるようにしておくことはとても有意義だと思います。

参考：ベースアンプの機材紹介 AMPEG編

バンドアンサンブルの中でベースが主に担うことになる低音域は、他の楽器の音をマスキングしてしまったり、立ち位置によって聴こえ方が違ったりするので、大きい音になるほど扱いが難しくなります。
自身が気持ちよく弾くために、好みの音色を作ることは決して間違いではありませんが、他の演奏者全員がアンサンブル全体をバランスよく聴こえるように配慮した音作りを重視した方が、結果的に自分が弾きやすく気持ちよく演奏できる環境を作るための近道になるかもしれません。
ベースアンプの音色的な特徴を把握するには、まずはフラットな音色設定を見つけるのが良いでしょう。
フラットな音色設定は、必ずしもアンサンブルの基本設定とは一致しないので、ツマミの一を鵜呑みにするのではなく自分の耳で判断することがとても重要です。
アンプの機能や音色の特性も、見た目のイメージに惑わされず、実際にツマミを上げたり下げたりして効果を見極め、好みの音色を作りこんでいきましょう。

参考：レンタル機材紹介　ベース編

現代の音楽ジャンルの多様化、多弦ベース浸透など、ベースに求められる音域は非常に広くなり、最近のベースアンプも小型で大出力、クリアでワイドレンジな機種が多くなりました。
スピーカーキャビネットについても、以前は15インチ2発などの大口径スピーカーユニットを搭載する機種が主流でしたが、最近では10インチ8発など小口径スピーカーユニットを多数搭載して周波数レンジが広く高耐入力を特徴とする機種が主流です。
また、高域用にホーン型ツイーターを搭載する機種も多く、キャビネットの裏側などにツイーターのアッテネーター（レベル調整機能）がある機種ならば、これを調整することでかなり音色の質感を変化させることができます。
リハーサルスタジオに常設されているベースアンプは、音質が良く、十分な音量が出せる機種がもちろん好ましいですが、真空管のみのフルチューブアンプを常設するスタジオは稀で、大抵のスタジオではメンテナンス性も良いトランジスタアンプが主流となっているようです。

先程から書かれている真空管やトランジスタというものは、どちらもアンプ内部の電子回路上で増幅作用を担う素子です。真空管の方が歴史は古く、音色はやわらかいナチュラルな歪みを作りやすい反面、出力に対して消費電力が大きい事や、真空管に寿命があり定期的な交換、調整が必要になるなどと言ったデメリットがあります。
一方、トランジスタは出力のわりにコンパクトでメンテナンス性も良く、真空管に比べてランニングコストもかからないので、大出力が求められるベースアンプではトランジスタアンプが大勢を占めます。ただし、トランジスタ主体のベースアンプでも真空管の独特の質感を求めてプリアンプの一部にだけ真空管を用いた機種も多いです。

リフレクトスタジオでは最初にも述べましたが、W作戦ということでベースアンプはハートキー、アンペグをお選びいただけますので是非ご来店くださいませ。