201510/23

音楽理論

インピーダンスとは

みなさんインピーダンスなるものはご存知でしょうか?
アンプを使う方はだいたい知っておられるかと思いますが、今回はおさらいも兼ねて書いていきたいと思います。
システムを構築するうえで、必ず知っておきたいのがこのインピーダンスというものです。
インピーダンスという言葉を日本語訳すると「交流抵抗」となるのですが、これだけではあんまり意味がわからないですよね!
まずは「抵抗」というものがどんなものなのか、解説していきたいと思います。

インピーダンスとは



「抵抗」は、電気の流れやすさに関わります。Ω(オーム)という単位で示される値です。
よくアンプの裏に4Ωとか16Ωとか書いてありますよね!それのことです!
Ωの値が大きくなれば電気は流れにくく、小さくなれば流れやすくなります。
抵抗の大小によってどんな変化が起こるかは、扱う信号が交流か直流かによって考え方が少し変わってくるのです。



直流の場合、「豆電球と電池の間に抵抗の値が大きくなると豆電球が暗くなる」など、非常に明確でイメージしやすい変化がありますが、交流に対する抵抗となると少しだけ難しくなってきます。
単純に抵抗が高いとこうなる、低いとこうなる、というわけにはいかないのです。
なので、電気の世界では直流に対する抵抗を「レジスタンス」、交流に対する抵抗を「インピーダンス」と呼び、分けて考えているのです。
ギターやベースのシステムの中では、アンプやエフェクターの内部で使われる電源が直流で、その他の音声を扱う電気信号はすべて交流になっています。



川の流れに例えて考えてみるとわかりやすいかもしれません。
インピーダンスが低い状態の時は、川の幅が広い状態だと思ってください。
川幅が水は流れやすく、外からの影響を受けづらいと言えます。
例えばナイル川の河口付近に大きな石を投げても流れ自体にはほとんど影響がないのと同じで、外からノイズが混入してもあまり影響は大きくありません。

逆にインピーダンスが高い状態は、川の幅が狭いようなものです。
水は流れづらく、大きな石が投げ込まれると流れ全体に影響が出てきてしまいます。
インピーダンスが高い時は、ノイズの影響が大きくなるという事です。

一般的に、インピーダンスが低い方が電流は流れやすくノイズが混入しにくいので、シールドを長く引き回したりする場合にはインピーダンスを低くしてから、信号を送るようにします。
そうすることにより、外部からノイズが飛び込んできてもあまり影響が出ないようにできるのです。この点は割と重要かもしれないので、覚えておいて損はありません。

インピーダンスを例え話にするとわかりづらいのは、実際のインピーダンスは流れる場所(ケーブル)ではなく信号を出力する回路や、入力する回路に依存するという点が、イメージしづらいからかもしれません。
エフェクターやアンプのマニュアルのスペック欄には入力インピーダンスや出力インピーダンスという言葉が出てきますよね!
それぞれ結構重要なので言葉なので、それについても書いていきたいと思います。

「入力インピーダンス」は機器の入力回路によって決まります。
このインピーダンスが手前に接続される出力回路にとっての負荷となります。
入力インピーダンスが高いほど出力回路の負荷が軽くなり、出力回路から信号を伝えやすくなります。そして逆に入力インピーダンスが低くなるほど出力回路の負荷が重くなり、信号を伝えにくくなるという仕組みです。

「出力インピーダンス」は機器の出力回路によって決まります。
出力インピーダンスが低いほど信号が伝える力が強くなります。負荷が重くても、信号をしっかり伝えることができるのです。逆に出力インピーダンスが高い場合は信号を伝えにくくなるということですね。



入力インピーダンスと出力インピーダンスについては、蛇口(出力)から出る水(信号)と受け止める器(入力)とイメージするとわかりやすいかもしれません。
蛇口に対して受け口が狭いと水(信号)をすべて受け止めきれませんよね!
同じように出力インピーダンスに対して入力インピーダンスが低すぎると、音声信号に含まれる情報をすべて受け取ることができなくなります。

長くなりましたが簡単にいうと、入力インピーダンス>出力インピーダンスだと信号に余裕を持って受け取れるということなのです!
専門用語で並べられるとなかなか難しいものですが、川の流れや蛇口の水に例えてみると意外と単純でわかりやすいので、「インピーダンス?ってなに?あんまり難しい事わかんないよ…」なんて困っている子が軽音部とかにいたら、さりげなくこの話をしてあげるとちょっとカッコいいヤツになれるかもしれません。
リフレクトスタジオのアンプにはスピーカーケーブルの挿し口を分りやすく示しているPOPが貼ってあるので、あまり悩むこともないかもしれませんが、知識として頭に入れておくと後々役に立つかもしれませんね!
今回はここまでにしたいと思います!お読みいただきありがとうございました。

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